「テクテクテクテク」をサービス終了に追い込んだ「スマホゲーム無料」問題

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「テクテクテクテク」の運営会社が同ゲームのサービス終了をアナウンスした。「テクテクテクテク」はスマホゲームの中でも「おもしろい」と評判だっただけに残念だ。

この件に関し、「テクテクテクテク」ユーザーであるタレントの伊集院光が自身のラジオ番組でコメント。ゲーマーの意外なユーザー心理が浮かび上がってきた。

おもしろくても課金してもらえないスマホゲームがあるという現実

一般的な話として、ゲームは無料でできる方がありがたい。その証拠に「スマホゲーム」を検索しようとすると、候補として必ず「スマホゲーム無料」と出る。

しかし、運営会社としては、利益が出なければ、どうしようもない。しかし、いきなり有料では、知名度のない新作ゲームは遊んでもらえない。

そこで、スマホゲームの場合、とりあえず、無料で遊べる形でリリースし、より深く楽しみたいユーザーは課金することで+αを得るという二段がまえが標準仕様となっている。

しかし、運営会社がサービスを維持できるだけの課金がなければ(つまり、売上がじゅうぶんにあがらなければ)、そのゲームは人気があっても終了となる。

単純に考えて、そのゲームがつまらなければ、課金してまで遊ぼうというユーザーが現れず、おわってしまうのはわかる。しかし、「テクテクテクテク」はそうではなかった。

「テクテクテクテク」をサービス終了に追い込んだゲーマーの意外な心理

これについて、伊集院光はラジオ番組『深夜の馬鹿力』で以下のような見解を示した。ちなみに、彼は「テクテクテクテク」のために新幹線で京都まで行くほどハマっていた。

「おもしろすぎるんだと思うんだよね。課金しないで、ある程度おもしろいっていう。」

「ある意味、そんなさ、街をてくてくてくてく歩いて、街の一角をチビチビチビチビ塗りつぶしていくゲームを、楽しめる人って、マゾだと思うの。」

「ね? けっこうなマゾだと思うの。けっこうなマゾの人が課金をすることで、それが楽になるっていうことをほぼほぼ望まないっていう。」

「そのゲーム性みたいなものに、たぶん、儲からないっていう、その致命的な欠陥が(おれ)あったような(気が)」

課金の動機づけに対する読みが企画時に求められる

3月13日の「テクテクテクテク」終了発表に突如感があったのは、アスキームック『週アス2019March』(2月26日発売)で特集されていたことでもわかる。

テクテクテクテクは「ポケモンGO」などに連なる位置情報スマホゲームで、有名ゲームクリエイター(ドラクエコンビ)が手がけたことから、注目度も高かった。

「テクテクテクテク」の運営元で、ニコニコ動画で知られるドワンゴは「現在の課金規模では事業として成立せず」と、収益不振をサービス終了の理由としている。

ニコ動への投稿や同人・コスプレ活動に広がりを見せるようなタイプのコンテンツだったら、結果はちがったかもしれない。ゲーマー心理の読みちがいが皮肉な敗因となった。