お彼岸は仏教的行事の代表的なものですが、案外くわしいことは知らないものです。ここでは、お供え物の話を中心に、お墓参りや他家訪問時の注意点について紹介します。
ついでに、「お彼岸と言えば」という感じでよく話題にのぼる「ぼた餅」と「おはぎ」のちがい、使い分け、お彼岸との関係についても、このさい頭に入れておきましょう。
お彼岸っていつ?
お彼岸は春と秋の2回あります。それぞれ、
春分の日(3月20日ごろ)
秋分の日(9月23日ごろ)
を「中日」とし前後3日ずつを加えた7日間。
春分の日と秋分の日は年によってズレますが、昼と夜の長さがほぼおなじになる日です。祝日になるので、わかりやすいですね。たいてい、この日にお墓参りに行くわけです。
お彼岸のお墓参りのお供え物はなににするか
お彼岸でお墓参りに行ったら、まずはお墓の掃除です。最近はお掃除不要の「お墓」もありますが。あとは、供花と和菓子や果物などをお供えし、お線香に火をつけます。
この「和菓子や果物など」がいわゆるお供え物ですが、お墓の主が近しい親族などであれば、故人の好物を供えることがあります。よくあるのがお酒ですね。
お墓参りでお供え物をするときの注意点
お墓参りに行って、お供え物をするときには必ず、飲食できる状態にしましょう。飲み物は封を切ります。お菓子や果物を2つ折りした半紙(なければ白い紙)の上におきます。
親族の墓であっても、そのお墓を主に見ている人が自分以外にいるのでしたら、お墓参りしたことを一報することも礼儀です。気づいたことや近況もあわせて話しましょう。
お彼岸で他家を訪問するなら気をつけたいこと
親族や親しかった人の家を訪れて、仏壇にお参りするということもあるでしょう。このときも、お供え物の基本はお墓参りと変わりませんが、菓子折りなどの封はしたままです。
お供え物は通常の訪問時の「手みやげ」を兼ねたものと考え、そのお宅で食しやすいものにしましょう。人数の少ないお家に行くときは、日持ちのするものにしましょう。
「ぼた餅」と「おはぎ」のちがい
お彼岸のお供え物の代表に「ぼた餅」「おはぎ」があります。お彼岸に訪問してもらった側がふるまう例もあります。これは小豆に厄除けの力があるとされることに由来します。
このとき、「ぼた餅」と「おはぎ」のちがいがよく話題になります。現代では、おなじもので、。季節によって呼び分けているというのが通説です。
牡丹の花が咲く季節(春)に食べるのが「牡丹餅」(ぼたもち)で、萩の季節(秋)に食べると「お萩」になると。もっとも諸説あって、地域差があるという話もあります。
あんころ餅が「ぼた餅」で、きなこや青のりをまぶしたのが「おはぎ」だと言う人もいます。「棚からぼた餅」はあんこっぽくて、「棚からおはぎ」とは言わないですもんね。