はたして、NHKが投資熱をあおるような番組を放送していいのか、という疑問は残るが、国策にそった内容ということか。『ザ・プロフェッショナル 仕事の流儀』で、新井和宏を取り上げた。
「鎌倉投信」
という投資ファンドをベンチャーで立ち上げた人物だ。
この投信じたいは設定から7年で10%平均の利回りを出している。
ただ、実績いいですよーってのが売りなのではなくて、応援したい企業に投資してるんですってことなのね。
NHKの番組で取り上げられていたケースでは、フェアトレードを通じて、海外の貧しい国の人たちを支援している会社とか。
新井和宏の著書のタイトルになっているところの「きれいごと」とは、たとえば、こういった部分をさすのだろう。
通常、否定的なニュアンスで使われることの多い「きれいごと」を本にタイトルにしようという考えはわからぬでもないが、これを「きれいごと」と言ってしまうと本質が曇るのではないか。
フェアトレードのような善意を基盤にしたビジネスをする人にも、目的を達成するためには「金」が必要であり、「出資」「融資」が受けられるという欲によって、事業を改善する。資本主義の健全な例じゃないのか。
あらためて思ったのは、投資も「目利き」が重要な商売だな、ということ。こういう番組を見て、出資してもらうことを目的にフェアトレードをやり出す連中も出てくるかもしれないわけだし。
いい意味で「欲」が刺激されて産業が活性化され、自分のやりたいことはビジネスになりにくいから無理だろうとあきらめていた人が勇気を得る、という方向にうまくころがっていって欲しいものだ。
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投資は「きれいごと」で成功する――「あたたかい金融」で日本一をとった鎌倉投信の非常識な投資のルール