自分に選択する権限があるなら、好きじゃない作品は無視するのが最良の策である。学校で職場でなにかの集まりで、好きになれない作品にふれなければならないこともあるだろう。そのとき、
「心にもないことを言う」
という選択肢は、人間関係においてはあるかもしれないが、文章の上ではない。
どう切り抜けるかという方法は4タイプ。
(1)部分的に好きになれるところを見つけて書く
(2)予想とちがったところや自分とちがうところを書く
(3)紹介文に徹する
(4)話をはぐらかす
このうち、(4)は作品そのものを問題にするのではなくて、作品に出てくるできごとを取り上げて、それについて書く。
たとえば、小説の中で兄弟ゲンカのシーンがあるなら、
「自分も昔はよくしたものだ」
と自分の思い出を語るのである。まあ、タテマエとしては、作品の内容と関連づけて、
「ケンカのあとで、主人公はこういう行動をとったが、自分のときはこうだった」
のように。これはエッセイ型で、肯定的な文章にも使える。
【参考文献】
『書評の書き方: ベストセラーを作るブックレビュー』
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