ハリウッド・メソッドの問題点【脚本の書き方】


脚本(シナリオ)の書き方をひとことで言うと、自分が書きたいと思う題材・ストーリーに合った型を見つけて、それに当てはめていく作業である。

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ストーリーを展開させるための型(骨格)をプロットという。プロットの組み方において、現在主流となっているのが「ハリウッド・メソッド」と総称される流派だ。




ハリウッド・メソッドは脚本家の常識

ハリウッド・メソッドは、映画の都ハリウッドで作られる世界を相手にしたアメリカ映画の多くで採用されている。わかりやすく、商売になりやすい作品を産む手法のことだ。

メソッド(手法)には、多くの要素が含まれるが、その根幹となっているのがプロットのテンプレート化だ。それはシナリオ学校の講師がまずそこに着目したことによる。

世の中に出回っている無数の「脚本術」「シナリオの書き方」の中心にこのハリウッド・メソッドがある。「独自」の脚本術でも、ハリウッド・メソッドは知っている前提だ。

というわけで、ハリウッド・メソッドは脚本家を目指す者にとっては、一般教養レベルの常識で知っていなきゃ話にならない。が、ひとつ注意しなきゃいけないことがある。




知っているだけでは創作できない

ハリウッド・メソッドが輸入される以前から、映画は作られてきたわけで、日本流の脚本術もいろいろある。そして、細部はちがうにしても、大枠で言っていることはおなじだ。

なぜなら、最終的に映像作品として多くの観客を楽しませることを目標にしているかぎり、観客が喜ぶストーリー展開のパターンというのは、だいたい、決まっているからだ。

したがって、既存の映画作品をハリウッド・メソッドを使って分析すると、だいたい、あてはまる。しかし、日本流のメソッドで分析したって、あてはまるのだ。

つまり、どういうメソッドであれ、それは「解釈の方法」でしかない。つまり、知っているだけでは、他人の作品を分析できても、自分の作品を創作することはできないのだ。
 
 

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