【自己分析のヒント】コピーライターに必要なのは文章力より発想力

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広告業界のことについて、コピーライターを中心に述べていこう。職業選びのためには、職種のことをよく知り、自分に適性があるか確認することが大事だからだ。

コピーライターという職業についてのキャッチコピー

 1980年代、コピーライターという職業がブームになったことがある。希望職種というだけでなく、有名コピーライターと呼ばれる人たちがタレント的な扱われ方をした。

 彼らがどういう仕事をしているかという説明に使われたのが「1行100万円」という1行である。これじたい、コピーライターという職業についてのキャッチコピーだった。

 コピーライターというヨコ文字がまだ珍しく、コピー用紙をライターで燃やす人かと思われていた時代だ。

「広告に文字が入ってるでしょう。ああいうのを考える人」

 そんな説明されても、ああナルホドでおわりってしまう。それが、
「1行で100万円稼ぐ人」
 と言われたとたん、カッコよくなった。

コピーライターの仕事の実際

 現実には、1行のキャッチコピーを考えるのにも、数々の苦労があり、クライアントに対しては、なぜ、この1行かを説得するための企画書を何百ページも書く。

 かりに、それが月給30万円の会社員Aさんの労働3ヵ月分に匹敵するなら、100万でも妥当だ。しかし、そんな真実を説明されたら、キラキラしたイメージは消えてしまう。

 コピーライターの仕事はそこである。下準備の段階では、リサーチ会社で働くのと大して変わらぬことをやっている場合もあるが、それを報告書にまとめるのとはちがう。

 事実を切り取り方によって輝かせる。その商品がどういうものかといったことを長々とした説明のかわりに、広告の受け手のイメージを喚起する短い言葉で表現してみせる。

コピーライターに向く人

 コピーライターの仕事は、ある事柄を「どう切り取るか」というアイデアを形にする仕事だ。おなじ商品でも、見せ方・語り方ひとつでまったくちがう印象をあたえる。

 文章を書く仕事がしたいということで、コピーライターを目指すがいるが、営業センスがないとむずかしい。文章ではなく、「広告が好き」という人が選ぶべき職業だろう。