【日報の書き方】事務でも営業でもスラスラ業務が記せるコツと例文


 業務日報を書くのが苦手、どう書いていいかわからない、という人が多い。けれども、簡単なコツを身につけることで、スラスラと文章が出てくるようになる。

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 いちばんいいのは、キミがじっさいに書いた日報を直接、添削してもらうことだ。が、身近に文章の専門家がいるとはかぎらないから、我々が基本的な部分を解説する。

業務日報の書き方の要点

 日報を書く第一段階は、的確な内容を書くことで、なれるにつれ、短時間で書けるようになりたい。次に第二段階として、より「いい日報」「評価される日報」にしていこう。

(1)業務日報の目的を明確にする
(2)業務日報の読者を理解する
(3)業務日報の書き手の立場を把握する
(4)事実を中心に記した上で意見を述べる

 これを見て、気づいたかもしれないが、いわゆる「書き方」にあたる部分、せまい意味での文章力が関係してくるのは(4)の部分だけだ。(1)~(3)は「企画」である。

 この企画にあたるところは、業務や日報の読者やキミ自身の立場が変わらないかぎり、おなじだ。ここを押さえておけば、日々の出来事を記すのが楽になる。

日報になにを書くか整理する

 日報を書く時間は限られているので、毎日の業務や気づいたことの中から読者が望んでいる情報を拾い上げて報告することになる。読者というのは、提出先の上司や同僚だ。

 キミは会社かなんらかの団体で仕事をしていると思うが、属している組織の性格によって、望んでいる情報がちがう。おなじ出来事を伝えるのでも、書き方が変わってくる。

 ビジネスの現場で営業や販売にたずさわっている人は原則として利益を追求している。一方、病院で医療事務にたずさわっている人などは売上げが最優先ではないはずだ。

 まずは日報に「なにを」書くか整理する。この場合の「なにを」は、どの出来事を取り上げるかという意味と、その出来事=事実をどの角度から切り取るかという意味がある。

いい日報とはどういう日報か

 自分の日報に「なにを」求められているか見抜くためには、おなじ職場内で上手に書いている人の日報を見つけることだ。そうした日報をお手本にするのが手っ取り早い。

 そうは言っても、他人の日報が簡単に見られない職場もあるし、見たところで、どういう日報がいい日報かわかっていなければ、お手本にすることもできない。

 いい日報を書くには、日報を書く意味・目的を押さえておく必要がある。これはその組織によって少しずつちがっているので、自分の属しているところはどうか把握しておく。

 そうでないと、ピントのはずれた内容をダラダラ書くことになって、時間はもったいないし、自分の評価も上がらない。以下の分類から当てはまるものを見つけるといい。

日報を書かせる側にも目的がある

 日報の意味は次の3点でほぼ決まる。
(1)日報を書かせる側の目的
(2)日報を書く側の態度
(3)日報にかける時間

 日報の目的 タイプA
 上司や経営者が現場の状況を把握するためのもの。指示を出したり、決断をくだしたりするのに必要な情報を求めている。

 日報の目的 タイプB
 社員やスタッフなど現場の人間が情報共有するためのもの。系列店や他の営業所など広い範囲で共有するところもある。

 日報の目的 タイプC
 書かせる側のレベルが低いケース。部下を威嚇するため、自分が仕事やってる感を出すためなど。本質的には、無意味な日報。

自分が日報を書くときの態度を決める

 書く側の態度 タイプX
 積極的に、マジメに日報を書くタイプ。上司に自分をアピールしたい、みんなで業績をよくしたいといった動機をもつ。

 書く側の態度 タイプY
 日報なんてバカバカしい、時間のムダと思っている。やらないと怒られるので、イヤイヤやっている。

 こう書くと、タイプXは良い子で、タイプYは悪い子と思うかもしれないが、タイプYにも優秀な人材はいるし、ヤル気はあって素直だが、能力の低いタイプXもいる。

 現実には、きっぱり分けられない中間タイプもある。XYとはべつに、文章が苦手というタイプも珍しくない。キミが書く側なら、大事なのは自分がどうしたいかだ。

日報になにを書けばいいか──業務内容と所感

 日報にかける時間に関しては、書かせる側がどのくらいの時間を想定しているのか、業務時間中に書いていいのかで変わってくるが、早く書けるに越したことはない。

 日報の目的がタイプAなのかBなのか、あるいは混合型なのかを見極めるだけでも、ムダな文章を書かずにすむので、時間短縮になる。ようは読者はだれかってことだ。

 日報にどんなことを書くのかというと、通常は「業務内容」と「所感(もしくは備考欄など)」になっているはずだ。書式の細部にちがいはあっても、メインはこの2つだ。

 他に、書くよう指示されていることがあるなら、当然書く。記入項目が増えたときなどは、日報を書くのに、どのぐらい時間をかけていいのか、そのつど、確認しておく。

業務内容の記入例

 業務内容で大事なのは、「なにをしたか」と「それをするのに、どのくらい時間がかかったか」で、加えて、「だれが(だれと)」「どこで」といった情報を簡潔に記す。

 メーカーで外回りの営業をしているなら、次のように時系列で書いていく。

「11~12時 量販店○○ 担当者と商談
 13~14時 量販店△△ 売場の展示替え」

 もう少しくわしく書くことを求められるのであれば、「キャンペーンの説明」「売場拡張の交渉」や「新製品のデモ機を2台設置」といった具体的な内容をたしていく。

 いずれにせよ、業務内容には、事実のみを目次(見出し)のように記せばいい。その中で感じたこと、出てきた問題、特記事項などは次の「所感」に書くようにする。

所感の記入例

 所感は「業務がキツいです」といった感想を書くものではない。キツいなら、キツくなっている原因を見極め、原因はこれだと思うという考えを記すものだ。

 業務内容は事実のみでいいが、所感に関しては、意見とその意見をもつ原因となった事実をセットで書く。事実も、よりこまかく、くわしく述べていく。

 とはいえ、ダラダラと書くのではない。
「なんかぁ、お客さんに呼びとめられて、その人がすっごい怒っててぇ、ヤバイ感じで」
 なんて書き方では日報にならない。

 要点・結論からズバッと書く。会話の内容を時系列で書く必要はなく、
「クレーム対応をしました」
 からはじめて、整理した情報だけを書く。

なにを所感に書けばいいか

 日々の業務遂行において、こまっていることがあれば記すが、「売り上げ下がってますねー、ヤバいッスねー」といった感想や個人的な感情はいらない。

「ヤバいッスねー」
 は経営者が感じればいいことだ。危機感をもっているのであれば、それを改善するために、キミがどのような行動をとったかを記すのが日報だ。

 所感には、いつもとちがったこと、気づいたこと、だれかに教えられたこと、他のスタッフと共有した方がいい事例、今後の課題、改善策、会社への要望などを書くといい。

 参考までに、もう少し所感の例文を載せておく。以下は駅ビルに入っている服屋/雑貨屋の日報のイメージだが、異なる業種でも細部が変わるだけで、書き方はこんな感じだ。

10分で書く日報の例文

「今朝は晴れていたのに、午後から急に雨となりました。通常、雨の週末は来店者数が少ないですが、こういう日はかえって客足が増えると、Aさんに教えていただきました。

 このとき、Aさんの指示で、いつもは店の奥においてある販売用の傘の什器を店頭に出しました。その結果、今日1日で傘が○本売れました。

 急に雨が降り出したせいか、傘を持っていたお客様でも何人かは服がぬれていました。こうしたお客様をケアすることができれば、店の好感度を上げることができそうです。」

 以上、ここに記されているのは「その日の動向」「イベント的な行動とその結果(売上)」「気づいた点(提案)」だ。10分で書く日報の1日分なら、これで十分である。

感覚的であいまいな文章にしない

 日報は毎日のものだから、動向はともかく、そのつど、イベント的な出来事があるとはかぎらない。命じられた業務の中でも、自主的にやった部分を記すのもいいだろう。

「午前中、新しく入荷したTシャツの品出しと在庫整理をしました。在庫は売れ筋の白を手前に置いています。他の色の在庫見落としがないよう、スタッフ全員に周知しました」

 例に挙げた以外にも、キミなりに考えた事柄を書くのはかまわない。が、書き方には注意がいる。できるだけ具体的に、数字などを用いて、要点のみを記すということだ。

「今日はとても忙しく感じました」

 という書き方では、キミの感覚の話でしかない。販売員なら接客が忙しかったのか他の作業か、客数やピークの時間帯などを書く。

業務内容欄に「なぜ」は不要

 業務内容にせよ、所感にせよ、事実を記す場合は骨子をぬき出し、よぶんな枝葉を落とす。よく言う「いつ、どこで、だれが(だれと)、なにを、どうした」が基本だ。

 通常は、これに「なぜ」が入るが、業務の場合は自明であることが多いので、はぶいてかまわない。ただし、イレギュラーな業務をした場合は、理由(なぜ)を所感欄に書く。

文章の書き方 伝わる日報のコツと例文
 『文章の書き方 伝わる日報のコツと例文』

 
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