コピーライターに新製品のキャッチコピーを考えさせたとしよう。それをキミが見て、どうもピンとこない。どういうダメ出しをして、やり直させるのが適切なのか。
「これはダメだ。ぜんぜんピンとこない」
と上から目線でモノを言うと、
「ピンとこないのは、おまえが鈍いからだ」
としか相手は思わない。コピーライターの方はベストとは言わないまでも、まあ、こんなものだろうぐらいに考えてる。
もっといいものを作らせるには、相手が納得して、直しに取り組むよう仕向けなければならない。相手がキミをコピーライターの師匠とでも思っていないかぎり、エラソーに言っても逆効果なだけだ。
「わかってないやつがなに言ってる」
と思われている。そうなりたくなければ、自分が相手より絶対的優位に立てるポイントを相手にわからせる。それは上司や依頼主といった社会的立場の強弱ではない。
どんなクリエイターでも、ぜったいもっていないものがある。それは受け手(=客)の立場である。それをわからせるには、仕事を依頼した時点にもどって、今回の制作物の目的を再確認することだ。相手がコピーライターなら、言葉である状況をイメージさせるのが仕事だから、こういうダメ出しをする。
「この言い回しじゃ、キミのようにセンスのいい人間しかイメージできないよ。今回のターゲットはもっと一般的な人たちなんだ」
任せた仕事の結果がイマイチで、やり直させる場合、対等の立場で事前の合意にもとづく話をする。とくに、クリエイターなどプライドが高い人間を相手にするときには、この方法が最適だ。あとから、とやかく文句を言われると、ムッとする人種には、
「はじめに、この点とこの点をお願いしたと思うんだけど」
と、さかのぼって再確認する。そこができているか、いっしょにチェックさせるんだ。
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