ジャンボ宝くじなどのシーズンになると、
「もし、1等が当たったら、なに買う?」
という会話があちこちで交わされる。賞金額が憶単位になると、やはり多い答えは、
「家」
だろう。しかし、不動産にくわしい人間だと、この場合、
「ビル」
になる。賃貸用物件を購入して、他人に貸すのだ。それで家賃収入を得る。
どうしても、自分の家を買いたいんだったら、そのビルは現金で買っているんだから、それを担保に銀行から金を借りればいい。その借りた金で自分の家を買う。こちらは借金で購入しているので、返済をしなければならないわけだが、返済にあてる金は家賃収入でまかなえる。返済がおわったときには、ビルと家と2つ自分のものになっている。賞金ですぐ家を買ってしまう場合にくらべて、手に入れられるものが倍ぐらいちがう。
なるほど! と思っただろうか。この文章はなにも、キミに不動産投資をすすめるために書いているのではない。ビジネスをするときには、この「宝くじの使い道」のようなアイデアが必要なんだ。この話に心動かされた人間は、
「よし、宝くじに当たったら、こうしよう」
と頭に刻み込むにちがいない。そして、そのうちの何人かは、宝くじとは関係なしに、不動産投資というものに興味をもつ。
これが潜在的なニーズの掘り起こしだ。でも、いざやろうと思ったら、いろんな疑問が出てくる。どうやって物件をさがせばいいのか、不動産屋とはどうつきあえばいいのか、など。もし、キミが不動産業を営んでいるなら、こうした「もうけ話」を無料で紹介することが結果的に自社のビジネスにつながってくる。おいしい情報なしに、いきなり、
「不動産投資しませんか。もうかりますよ」
と勧誘したら、ほぼ全員首をヨコにふる。