今年の2月発売に発売されて、8万部を突破しているという。「哲学用語」を日常的に必要としている人がそんなにたくさんいるとも思えないので、読み物としての魅力で売れているということだろう。
哲学用語というのは、哲学を専攻している人たちだけに関係あるものではなく、一般的な書物でも、ちょこちょこ見かけることがある。なんとなくは知っていっても、ハッキリとは理解していない用語も多々ある。
しかし、ニーチェの超人思想がどうのとか言われて、ちゃんと関連書物を読破しようと思う人は少ない。そんなときに、要点だけわかりやすく説明してくれるガイドブックのようがあるとたすかるわけで、「哲学用語」を題材とした本への潜在的なニーズはあったと見ていい。
で、これまでだと、そういうのは「辞典」だとか学術書の類で、あんまり読む気がしなかったのだが、「図鑑」にしたら、売れた。
デザイナーという著者の本業を活かした切り口が成功のポイントだ。自分の特技をどう題材と結びつけるかという点で、「図鑑」という形式を思いついたことの勝利だ。
解説本というと専門家が書くようなイメージが強いかもしれないが、センスのあるシロウトに任せた方がじつはわかりやすい。これは読者とおなじ立場で語れるからだ。もちろん、説明上手じゃないとこまるけど。
同様のことはブログ記事などにも言える。
【参考文献】
『ブログの書き方 稼ぐ文章と収入の作り方』