コンテンツ・マーケティングの先進国であるアメリカの例を見てみよう。
タイアップ系コンテンツ・マーケティング
日本でも大ヒットした映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、主人公がタイムマシンで30年まえの過去へ行ってしまい、自分の母親になるはずの女性にホレられてしまうというコメディ。主人公がいた1985年と1955年のカルチャー・ギャップが笑いの基礎になっている。
主人公がやむをえず下着姿になるシーンがあるのだが、このとき、
「カルヴァン・クライン」
の下着をつけていた。オシャレなはずのブランド・ロゴを見た相手に、自分の名前を書いているとカンちがいされてしまうというギャグがある。
直接的なCMではないが、ある商品を意図的にコンテンツに取り込むことで、ブランドの浸透をはかるという手法がこのころより顕著になってくる。
当時は「タイアップ」というような形で理解されていたが、巨額な製作費を必要とするハリウッドで積極的に利用された。
ライフスタイル系コンテンツ・マーケティング
1990年代後半から海外ドラマが日本で盛り上がってくる。女性弁護士たちのファッションなどが話題になったコメディがNHKの放送した『アリー・myラブ』だ。
作中登場するウガチャカ・ベイビー(ヒロインの幻覚に登場するキャラ)がクルマのCMに使われたのも話題になった。コンテンツが広がるひとつの例である。
しかし、ここで強調したいのは、ドラマそのものよりも、スタバことスターバックスコーヒーが日本で流行った理由のひとつに、このドラマがある点だ。
OLたちが憧れるドラマのオシャレなライフスタイルの重要なアイテムとして、スターバックスコーヒーが登場する。
強力なコンテンツのビジネスへの貢献度がよくわかる例だ。
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