本や書類を発送するのに、送料(郵送料金)はできるだけ安い方がいい。ヤクオク(ネットオークション)、メルカリ(フリマアプリ)などの個人間取引でも使うしね。
送料が安いとされてきた「クリックポスト」が2018年9月1日から値上げされ、状況が変わってきた。次の有力候補は「レターパック」だが、比較すると、そう単純でもない。
スマートレターの送料と注意点
スマートレターは、日本郵便(ようするに、郵便局)が提供しているサービス。
スマートレターは全国一律料金 180円
これが現在、いちばん安い料金のはずだ。
もちろん、ペラ1枚の書類などは、フツーに切って貼って送った方が安いが。
定形郵便物 25g以内 82円
定形外郵便物 50g以内 120円
本や冊子のようなもの、書類でも100gを超えるものは、スマートレターで送った方が安いってことになる(定形外郵便物150g以内で205円)。
ただし、スマートレターを利用するには、いくつか注意点がある。
まず、郵便局かコンビニで、スマートレターを買う。これが180円で、切手はいらない。
「スマートレター」というのは、軽いボール紙でできた封筒状のもので、それに直接、宛先などを記入することになる。送るものを中に入れて封をするだけなので、簡単。
そのかわり、スマートレターの中に入らないものは送れない。いわゆるA5ファイルサイズと呼ばれるもので、以下のような制限がある。
大きさ 25cm × 17cm 以下
厚さ 2cm 以下
重さ 1kg 以下
(現金、貴重品、危険物等は不可)
これだと、A5の書類は折らずに送れる。本の場合は、いわゆる単行本(四六判など)の標準的な厚さのものなら送れる。ファッション雑誌など大判のものはムリ。
日本郵便は「信書が送れる」のを自慢している(業務独占しているからね)。信書とは手紙の類。したがって、メッセージをそえたプレゼントにも使える。貴金属はダメだけど。
メリットは、封筒などをべつで用意する必要がないこと。そのぶん、コストも浮く。
デメリットは、追跡サービスがつかないこと。ヤクオクやメルカリでは使いにくい。
クリックポストの送料と注意点
クリックポストもまた日本郵便が提供しているサービス。スマートレターで送れないものや個人間取引では、ひきつづき有力候補である。これまで164円だったが、値上げで──
クリックポストは全国一律料金 185円
つまり、5円のちがいで追跡サービスがつく。ちなみに、日本郵便はスマートレターの代替には、レターパックや書留をすすめている。
理由は、クリックポストを初回利用するときのハードルが高いからだろう。Yahoo! JAPAN IDの取得とYahoo!ウォレット(クレジットカード払)の利用登録が必要だ。
あと、自宅(法人なら事務所)のプリンタで印字しなくちゃならないのが、手間だし、こまかいことを言えば、印字コストもかかる。封筒も自分で用意する。
そのかわり、大きいサイズも送れる。
大きさ 34cm × 25cm 以下
厚さ 3cm 以下
重さ 1kg 以下
これなら、大判の雑誌、A4ファイルサイズも楽に送れる。逆に小さすぎるもの(長辺14cm未満、短辺9cm未満)は送れないが、封筒サイズの問題なので、中身は小さくてもいい。
クロネコヤマトの送料と注意点
さて、もとはといえば、「クロネコヤマトの宅急便」でおなじみのヤマト運輸が提供していたクロネコメール便が圧倒的に安くて便利だった。厚み1cm以内82円、2cm以内164円。
この送料で追跡サービスがついていたのに、2015年の3月末をもってやめてしまった。基本的に、個人は相手にしなくなった。代替サービスとしては、ネコポスやDM便がある。
ただし、送料は個別契約。1個あたりの上限金額(全国一律)は、ネコポスで378円、DM便で164円となっている。個人事業主レベルだと、まあ、Maxの料金を取られるだろう。
それでも、DM便なら、スマートレターより安いじゃないかと思うかもしれないが、残念。信書はもちろん、通販商品、ネットオークションの落札品の類は送れない。
ただし、ヤフオクやメルカリの売買なら、個人でもネコポスが使える。各サイトがクロネコヤマトと契約して、ネコポスを使えるようにしているから。
送料は各サイトで確認をして欲しいが、現時点では、たとえば、「らくらくメルカリ便_小型サイズ(A4)」で全国一律195円、ヤフオクのネコポスも同等なので、若干高めだ。
送料比較のまとめ
本や書類を発送する際、送料がいちばん安いのは、スマートレター。しかし、ヤクオクやメルカリなどの個人間取引で利用するなら、クリックポストの方が安心。
ヤクオクやメルカリの場合は、ネコポスも候補。法人のビジネス利用だったら、ネコポスやDM便の送料をヤマト運輸と交渉する。
送料は執筆時のものなので、必ず確認を!