ネットで調べたいことを打ち込むと、Googleなどのサーチエンジンが検索結果を知らせてくれる。このとき、さらに調べたい人向けに候補ワードも表示される。
あれは、そのキーワードはこういうワードとの組み合わせて検索されることが多いですよという意味だ。ところが、そのうんざりすることがある。
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旬はとうにすぎて、高齢となった男性ロック・ミュージシャンの名前で検索をかけたとき、出てきた候補ワードがひどかった。
「かつら」「離婚」「身長」
多数ある複合ワードの下位にこういうのが混じっている程度ならわからないでもないが、検索数じたいが多くないであろう名前に対し、真っ先に挙がる候補がこれなのだ。
なんて卑しい心の持ち主たちだろう。私生活が謎のミュージシャンが結婚しているかどうか知りたいというのであれば、まともなファン心理とあるが、「離婚」が知りたいか。
「身長」も売り出し中の二枚目ならともかく、悪意の検索が大半の気がする。ファンの素直な検索と感じられる候補は「ライブ予定」ぐらいなものだった。
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しかし、世の中には、他人に下世話な興味しかいだけない人々よりも、さらに品性下劣な輩がいる。こづかい銭欲しさに、クズ記事を量産するインチキ・ブロガー連中だ。
上に挙げたような、どうしょうもないキーワードを羅列したタイトルが何件もならぶ。タイトルを見ただけで、書き手がそのワードに関する情報を知らないことは明らかだ。
とにかく、候補ワードありきで、1クリックでもしてもらえればという、あさましさ。記事の内容は、ネットを検索して盗んだ真偽あいまいな「情報」だけ。
候補ワードというのは、伝えるべき事実やノウハウをもった書き手が読者の興味の方向性を確認するために活用するものである。キミはクズの仲間入りをしないようにね。