映画好きなら、自分の思い通りに映画を作ってみたいと考えたことがあるはずだ。それはそんなむずかしいことではない。映画プロデュサーになればいいのだ。
起業や転職を考えている人、大金を稼ぎたい人、クリエイティヴな仕事に興味がある人、他人の下で働くのはもうこりごりだという人で、映画好きなら、目指してみていいかも。
映画プロデューサーは最高権力者
映画プロデューサーというと、自分には無縁のことと思っている人が大半だろう。しかし、映画もビジネスである以上、職業としてとらえてみることが大切である。
どうすれば、映画プロデューサーになれるかという話をするまえに、どういう仕事なのか、映画監督(ディレクター)とのちがいなどについて説明しておこう。
映画監督の方はなんとなくイメージできるだろう。「用意、スタート」「カット」とか言って、俳優に演技させたり、スタッフに指示を出したりする現場の責任者だ。
プロデューサーの方は、製作者とも呼ばれる。企画からはじまって、映画を完成させ、宣伝し、公開し、売上を回収するまで、すべてに指揮をふるう最高責任者かつ権力者だ。
プロデューサーの仕事は資金調達
映画の企画というのは、こういう題材でこんなストーリーにしたいと考え、脚本家を選んで書かせる。さらには、監督をはじめとスタッフを集め、俳優のキャスティグをする。
映画プロデューサーの主な仕事を要約すると、以下の2点に集約されると言っていい。
(A)映画作品を企画・製作すること
(B)そのために必要な資金を調達すること
キミが映画好きなら、主に(A)の部分を映画プロデューサーの仕事考えるかもしれないが、その仕事の本質は(B)、すなわち、資金集めにある。
どんなに芸術的な映画もお金がなければ、製作できない。したがって、プロデューサーとは、お金を集めてくる人のことであり、それさえできれば、プロデューサーになれる。
映画は他人の資金で作る
資金調達というと、たいへんなことのように思うかもしれないが、カフェを開業するのにだってお金はいる。映画プロデューサーになる場合は、自己資金は必要ない。
なぜなら、OPMといって、映画は他人の資産を出資させることによって、製作することができるからだ。そして、映画や芸能界に興味のある金持ちは大勢いる。
映画プロデュサーとして、製作資金を集めようと言われても、そんなことは、自分には無理だと思うかもしれない。しかし、世の中のプロデュサーはみんなそれをやっている。
まったく無名だった人物が映画を約200万円を元手に、約150億円の総収益をあげた例もある。しかも、そうしたやり方はノウハウとして世の中に出回っているのだ、
映画プロデュサーになるには
以下の内容は、『世界一簡単なハリウッド映画の作り方』を参考に話を進める。ハリウッドと日本はちがうと思うかもしれないが、基本は変わらないし、本の内容がおもしろい。
くわしい話をするまえに、キミが映画プロデュサーにないたいと思った場合、どういうルートが考えられるか、代表的なルートを4パターン、先に紹介しておこう。
(1)国内の映画会社に就職する
(2)ハリウッドに行く
(3)業界の実力者とタッグを組む
(4)インディーズ映画を製作する
日本で言えば、東宝や東映といったメジャーな映画会社があるが、そういうとことはべつに自主的に製作される独立系の映画がある。これをインディーズと呼ぶ。
映画プロデュースの10ステップ
『世界一簡単なハリウッド映画の作り方』はインディーズ映画のプロデュース方法を主に解説した本だ。これが意外と簡単にできる。なぜなら、映画製作はビジネスだからだ。
著者であるダブ・シモンズが示しているので、たったの10ステップだ。
1.脚本を入手する
2.書類の準備をする
3.ビジネスプランを作成する
4.法的手続きをすませる
5.撮影監督を採用する
6.売り込みの準備をする
7.出資者に電話する
8.書類を郵送する
9.華やかさを売りする
10.最終的な数字を相手にたずねる
やることはビジネスパーソンとおなじ
キミが脚本家や映画監督または俳優になりたいと思ったら、才能がいる。しかし、プロデューサーはビジネスパーソンとして、やるべきことをやればいい。
テレアポの経験があれば、電話など苦もなくできるだろう。各項目の具体的なやり方は、ダブ・シモンズがくわしく解説してくれている。あとは有能な脚本家を見つけるだけだ。
【参考文献】
『世界一簡単なハリウッド映画の作り方』⇒ 詳細はこちら
ダブ・シモンズ
雷鳥社 (2007/8/1)
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