ネット上で物販しようと思えば、商品の販売ページを作り、通常はそこをランディングページとし、PPC広告を打つことになる。そこには、とうぜん、広告費が発生するわけで、できるだけ少ない費用で最大限の効果を上げることが目標とされる。いかに自社広告の表示回数を増やし、クリック率を上げ、ランディングページに誘導し、そこでのコンバージョン率を上げるかが問題となる。結果、大きな問題を見落としてしまう。
コンバージョン率と数字のワナ
ビジネスにおいては、常に利益率が問題となる。ただ、ケチればいいというものではなく、原価も広告費もしっかり予算をつぎ込むことで、大きなリターンを得るという考え方もある。それにしても、最終的な利益の額が問題になることに変わりはない。ということは、クリックされるごとに課金されるPPC広告を出稿するにあたっては、できるだけ、見込み客にクリックさせたい。買う気のないひやかしの客にはクリックさせたくない。
もし、「御社のサイトのコンバージョン率を10倍にしてあげるから、これまでの9倍の金をくれ」という申し出があった場合、結果を保証してくれるなら、応じる企業はいくらでもあるだろう。しかしね、一見、理屈にかなっているようだけど、落とし穴がある。コンバージョン率を上げるためには、精度を上げなくてはならぬ。できるだけ、そのページにたどりつく見込み客をしぼり込んでいく作業をおこなう。つまり、他は切り捨てる。
広告費をかけるほど潜在的な客が逃げていく
でも、なにをもって見込み客と呼ぶのだろう? しぼり込めば込むほど、いますぐそれを必要としている客だけを相手にすることになる。裏を返せば、自分でどんどん市場をせまくしていってるわけだ。まだ自分自身のニーズを把握していない潜在的な客をすべて失うということである。PPC広告という金のかかる集客をつづけるかぎり、このワナからは逃れられない。コンテンツ・マーケティングが注目されるゆえんだ。
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