リピーターを生む文章術:本文を書くときに大事なこと


Webに掲載する文章はとくに、検索で上位表示されることが大事と言われる。それはそうにはちがいないが、読まれなければ意味がない。そのためには、本文が大事なのである。

ライティング 画像

ここでは、Web記事などのの本文は、どう書くべきか、注意点にどのようなものがあるか、といったことを解説していこう。Webにかぎらず、一般の文章にも当てはまる話だ。

文章の各パーツにおける役割

記事のタイトルおよび紹介文(リード):記事を読みたいと思わせる。読者の興味を惹くのに、重要。ネットでの検索のされやすさ(SEO対策)でも最重要。

見出し:ひとつの文章を途中で区切って読みやすくする。見出しは、そのブロックになにが書かれているかの目安で、見出しで大まかな内容を伝える。SEO対策でも重要。

本文:その文章の中身。タイトルや見出しにふさわしい内容が求められる。SEO対策としては、キーワードを適量含ませることを意識する。上の2つよりSEO的な重要度は低い。

とはいえ、文章は読まれなければ意味がない、という点で、本文は重要だ。魅力的な文章であれば、読者はキミのファンになって、向こうから直接読みにきてくれるようになる。

タイトルや見出しより深い本文を

読者というのは、なにか問題や不安をかかえていて、それに対する答えを求めて文章を読む。それがコミュニケーション主体のSNSと異なるところだ。

タイトルを手がかりとして、答えをくれそうだと思えば、その文章を読む。見出は、それだけ拾い読みして、だいたいの意味や書き手の言いたいことが伝わるのが望ましい。

本文は、当然、タイトルや見出しにそった形で展開し、読者に答えをあたえる。知りたいことが単語の意味だろうが大きな悩みだろうが、基本はいっしょ。

とはいえ、それだけではダメだ。週刊誌のゴシップ記事にあるような、電車の中吊り広告に書いてある見出し以上の情報はなにもないっていう。ああいうのは、悪い例だ。

読者から見て発見がある記事に

本文には、タイトルや見出しにある以上の情報、あるいは新規性や発見がなければ、読む意味がない。「へえ」「なるほど」と思わせてこそ価値が出る。

小説とちがい、一般の文章では、「事実」と「意見」が主体となる。この場合、より重要なのは、事実だ。意見を言いたくて文章を書いたのだとしても、読者とっては二の次だ。

まずは読者を答えに導く事実がを記すのが第一だ。それに加えて、自分の意見を書く場合は、意見を裏づける事実(証拠)とセットで書くのが原則である。

少し具体的な例を出そう。たとえば、キミがなにか社会問題について文章を書くとする。「少子高齢化」でも「地球温暖化」でもなんでもいい。

賛成意見を述べるときは斬新な意見を

この場合、そのトピック(キーワード)は必ずタイトルに入れるようにする。そのトピックやタイトルを見た段階で、読者はすでになんとなく、記事の方向性を想像している。

「少子高齢化」で言えば、経済面をはじめ社会の活力が低下するとか、国家予算の支出に占める社会保障費の割合が増える一方だとか、だいたい、パターンが決まっている。

それに対して、キミが書こうとする話(本文)は、読者の予想・期待にそったもの(つまり、賛成意見)なのか、読者の予想・期待を裏切るもの(つまり、反対意見)なのか。

賛成意見の場合、キミの意見がよほど斬新なものでなくてはならない。「この方法で解決できる!」みたいな。そうでなければ、どこかで聞いた話だ、と思い、読む気がしない。

反対意見の場合は、事実がより重要になる。「じつは、少子高齢化って心配ないですよ」と言うなら、それを裏づける事実=証拠を示して、読者を説得しなくしはならない。

その意見が賛成であれ、反対であれ、新鮮味や驚きがなければ、見出しだけ読み飛ばされる文章になる。本文には、読者の知らなかった情報が入っていないといけない。
 
 
【関連記事】
 伝わる文章の書き方:北朝鮮ってどんな国?
 明快な文章の書き方──災害時のLINEやSNSに学ぶ