2015年夏、例の法案通過後、「安保関連法案 まだまだ阻止できます」というフェイスブックの記事が話題になった。1日で30万以上ものアクセスを集めた。
ネット上の投稿で瞬間風速を得たければ、時事ネタが手っ取り早いが、おなじネタを扱った記事は、あの日、あちこちで投稿された。それらとどこがちがったのか。
読者に刺さるポイントを記事の中に作る
このフェイスブックの記事が広まったのは、記事の書き方が巧みだったからだ。他の記事はほとんど、戦争法案と呼ばれる内容や強行採決というやり方をなじるものだったろう。
それに対して、この記事は「まだまだ阻止できます」という希望の灯についた書いた。次のような一文が法案を阻止したかった読者たちの心に刺さった。
もしかして、衆院特別委員会通過と聞いて、
「あぁもう成立してしまった」
…かのように落胆されている方はいらっしゃいませんか?
そのへんのマスコミでは、たとえ参議院で否決してもしなくても「60日ルール」によって再議決し、衆議院の優越によって成立してしまうと絶望しか報じられてなかった。
意見よりもテクニックが求められる
全部で1500字ほどの文章は、3点リーダの使い方がまちがっているし、感情的な部分もあり、必ずしもお手本的なものではない。が、阻止する方法という行動の指針を明示した。
新聞記事のようなたんなる解説ではなく、まだ落胆しなくていいと、読者の誤解を具体的に正した。参院で継続審議にすればいいっていうテクニック(戦術)を紹介した。
この件に反対意見を言いたい人たちの中にあったニーズをうまくすくった。
「このあと、どうすればいいんだ?」
という知りたいことに答えた。
記事を投稿したのは、あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)で、その肩書きや特定秘密保護法案(13年11月)のときも批判したといった信頼性がさらに拡散を加速した。
※こちらの原稿は、2015年7月の記事を改稿の上、再掲したものです。
【参考文献】
『Web文章の書き方: SEOで集客する記事タイトルと見出し』
『文章の書き方 基本編: 「うまい」と言われた実例とコツ』
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