5月17日、競馬のG1レースにおいて、史上最高の2070万円という配当が出た。
念のために確認しておくが、100円で勝った馬券が2070万円になるんである。
「じゃあ、もし1000円分買っていたら、2億……1万円分なら、20億……」
と想像して、鼻血を流した人も大勢いたにちがいない。当たったのは他人なのに(正確に言うと、自分がたくさん買ったぶん、1枚あたりの配当は減るが)。
さて、キミが2000万円当てた場合に、心すべきは、
「もう2度と馬券を買わないこと」
だ。競馬からは足を洗ってしまえ。それがせっかく手にした2000万円を減らさずにすむ最も確実な方法だ。競馬にかぎらず、ギャンブルの必勝法は勝ち逃げである。せっかく、2000万円勝っても、そのあと負ければ、2000万円勝ったことにならない。
とはいえ、人情としてはやめにくい。
ひきつづき競馬をやるなら、ぜったいに賭け金を増やさないこと。100円で2000万円とったなら、今後も100円だ。気が大きくなって、1回1万円ずつなんて増やしたら、あっというまにすっからかんになってしまう。2000万とったときと、賭け金の総額を変えず、買い方の方針も変えない。運がよければ、2000万円がなくなってしまうまえに、もういちど大穴を当てることができるだろう。
バクチの魅力は否定しないが、経済的に見るなら、やるやつはアホである。昔から胴元がもうかることになっている。競馬だと、みんなの賭け金が集まった時点で、25%のテラ金がぬかれ、残りを当たった者で分ける。
かりに、倍率がおなじだったとして、5勝5敗ではトントンにならない。4回に1回は戦わずして負けてるのといっしょだからだ。しかも、丁半バクチとちがって、競馬のレースで勝率5割はよほど資金がないと無理だ。
だから、バクチの唯一の必勝法はプラスになった時点で逃げる。たとえ、2000万円勝っても喜んではいけない。その中に次の負けが含まれいている。税金という負けだ。不労所得とみなされ、ごっそりいかれる。
最初にテラ銭が引かれ、こっちが損したときは知らんフリのくせして、勝ったとわかったら、ヨコ取りする。お代官様のやることは昔から変わらない。民衆が文句を言っても、聞く耳などもってくれぬのだ。
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