KDPセレクトとKindleオーナーライブラリーの関係


 個人出版でアマゾンのKDPを使い、70%のロイヤリティ(印税)を得ようと思ったら、KDPセレクトに登録しなければならない。

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 ※KDP(kindle direct publishing):Amazon.co.jpのセルフ・パブリッシングの仕組み。

 で、このKDPセレクトっていうのは、いったいなんなのか。

KUやKOLに自分の電子書籍が追加される

 簡単に言うと、Kindle端末を使っているユーザーに対してアマゾンが提供しているサービスに著者として協力すること。そのかわりに見返りがあるのだね。

 アマゾン自身が掲げているメリット(KDPセレクトに登録する理由)は以下の3点を強調している。

  ○高いロイヤリティ
  ○本の売り上げ促進
  ○新たな読者の獲得

 読者がKindle Unlimited(KU)や Kindleオーナーライブラリー(KOL)の本を利用すると、出版者に KDPセレクトグローバル基金の分配金が支払われる。と同時に、日本、ブラジル、インド、メキシコの読者への販売に対して70%のロイヤリティが支払われるというわけ。

 販促に関しては、キャンペーンツールが使えるってこと。で、すでに気づきのように、海外の見込み客にもアピールできる。

 ようするに、KDPセレクトに登録することで、通常のKindleストア(つまり、Amazon.co.jpおよび各国のアマゾンの販売ページ)以外に、KU、KOLというプログラムに追加され、露出が増えるってことだ。

読まれると基金から分配金が支払われる

 Kindle Unlimited(KU)は、読者が好きなだけ本を読める購読プログラム。
 現在、読者がKUを利用できる国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、ブラジル、メキシコ、カナダ、インド。

 Kindleオーナーライブラリー(KOL)は、Kindle端末をもっているAmazonプライム会員が1ヵ月に1冊好きな本を選んで期限なしに利用できるライブラリー。
 現在、読者がKOLを利用できる国は、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス。

 このどちらかのサービスを利用して、電子書籍を読むとすると、読者の感覚では、無料に近い。個別の電子書籍に金を払っている意識はなく、むしろ、サービスを利用して本を読まなきゃ損だという気になっている。自分のよく知らない著者の本を買うのは、ちゅうちょする人もいるけれど、タダだと思えば気楽に読める。

 しかも、タダなのに、著者(出版社)にはKDPセレクトグローバル基金の分配金が支払われる。とはいえ、販売時のロイヤリティよりに比べると、微々たるものだが。現時点では、1KENPあたり50銭程度となっている。

 KENP(Kindle Edition Normalized Pages)とは、Amazon側で設定しているページの数え方で、電子書籍上のページ数とは関係ない。また、1KENPあたりに支払われる額は、その電子書籍の販売金額とは関係なく一律である。
 
 
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